一緒に
ゆっくりと歩いて来る
左腕にスリング(抱っこひも)で赤ちゃんを抱いて、語りかける
いいお天気になってよかったね~
ほら!見て~大きな雲
すっごいね~
ママね~
この季節になると、いつも思い出すの
あの日も、今日みたいなお天気で、楽しい日になるハズだったの・・・
あれは、私が小学5年生の頃
お母さんが大好きだった
毎日、すごく楽しそうに、私の話を聞いてくれて
一度笑い出すと、止まらなかった
そんなお母さんを見てると嬉しかった
学校から帰ると、お母さんが家で待ってくれてた
それがいつも、当たり前だった
なのに、あの日から変わってしまった
ケガをしたお父さんがいるようになって、その代わり、お母さんがいないの
仕事に行ってて、毎日、帰りが遅くって・・
帰って来るなり「あーごめんごめん!お腹空いたでしょ、待っててね~」
って、いっつも笑顔で、急いで台所に行ってた
ご飯ができるまで、私はお母さんのそばにいた
だけど・・ある日、お母さんが髪を切った
すごく短くて、男みたいで全然似合わなくて
なんで、そんな髪にしたの?
毎日帰ってくると、泥だらけ、おまけに汗臭いし
お母さんが話しかけても、私は返事をしなくなった
学校の帰り道で、友達と歩いてたら、お母さんと出会ってしまって
汚い作業着で近づいてくるから、私は思わず叫んでしまった
「近寄らないで!」
友達に聞かれても「知らない人」って・・言っちゃった・・・
お母さんは、そのまま立ち止まってた
とても悲しそうな顔だった
私は、少し胸が痛かった
走って、逃げた
その日は、お母さんに会わないまま布団に潜り込んだ・・
次の日、お母さんはいつもと同じで笑ってた
「ハイ、お弁当!楽しんできてね」
って遠足用のお弁当を手渡してくれた
私は、お母さんの顔が見れなかった
遠足なのに、楽しい気分になるハズだったのに・・ちっともなれなかった
バスの窓から、外をずっと見てたら
お母さんを見つけたの
目が釘付けになった
お母さんは真っ赤な顔をして、大きな石を運んでた
足はフラフラして、危なそうで
泥だらけ、汗だくで、おじさん達と働いてた
バスは動いてしまって
お母さんがどんどん離れてしまって・・
私は涙が溢れてきて・・
ごめんなさい
私、何も知らなくて、ごめんなさい!って
そう、ずっと思いながら・・
嫌な遠足だった・・
赤ちゃんが少し泣き顔なのに気づき、あやす
ごめんね。こんな話するつもりじゃなかったのに・・
ママね あれからずっと謝れてないの
ずっと、言おう言おうって思ってても言えなくて・・
言った瞬間、お母さんはまた 私の言ったあの言葉思い出すでしょ?
その時、今の笑顔がまたどんなになっちゃうのか・・
怖いの・・・ 怖くて怖くてたまらないの・・
だけど・・変わりたい
あなたに出会えてから、ますますそう思うようになったの
だから、応援してね
今度、おかあ・・おばあちゃんを散歩に誘ってみる
ちゃんと謝って・・
一緒に歩きたいの
一緒に、この季節を楽しみたいの
あなたと一緒に
音楽かかる
松任谷 由実さん 優しさに包まれたなら
20.2.19 天苺
第四回公演で読んだ作品の最初に書けた物です。
これは、3回公演のテーマ出会いの時に書けてて大事に保留
今回、アドバイスをもらい、少し読み返してるうちに~
1人芝居的な物がイメージできて
まとめてみました
書けた後、何だかとっても嬉しくて泣けてきた。
アドバイスをくれた人にも感謝したり
そして~伝えたい気持ちが膨らんで~
公演でさらに浮かんだイメージ追加して朗読しました☆
からころメンバーの1人が母の日近いしいいね~って
その言葉を思い出し、遅くなりましたが・・
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